こんにちは。声優を目指す方々(特に大人や社会人の方)のために記事を書かせて頂くことになりましたので、今回は私が声優になるまでに、大学でサークルを作ったんですが、そこから声優になった特殊な例をお話します。
※所属する事務所の関係上、名前は伏せさせていただきます。
さて、私が声優になろうと決める直接のきっかけとなったのは、多くの人が連想するようなアニメでも外画でもありませんでした。『自分と同じ大学生が作ったという映像作品』です。
そのころ動画投稿サイトの「ニコニコ動画」にハマっていた私は、声マネ動画やいろんな声を出す動画を漁っていました。そんな中、とある映像付きのボイスドラマに出会います。
衝撃でした。
学生たちの力でプロの声優を使い、自分たちで台本を書き、曲や効果音を作り、キャラクターデザインや背景を描き、動画にしたというのですから。それも自分と同じ歳の人たちが、です。
そのとき、「自分で作品を作るぞ」という目標と「自分は声優になるのだ」と気持ちが固まりました。
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声優をなろうとする上で自分にできることは?
声優になろうと決めたのはいいものの、具体的に何をすればいいのかわからなかった私はインターネットを使って調べました。
舞台芝居のワークショップがありました。行きたい養成所の体験レッスンがありました。
行くつもりはないけれど、専門学校の体験授業もありました。
どれもこれも、とにかく体験授業に行ってみました。
いろんなこと(30個以上)を聞いて、教えてもらって、よし復習するぞと意気込んだ時に、ふと気がつきました。「せっかく練習方法を学んだのに、声を出せる場所がないぞ?どうしよう?」ということです。
そうして考えました。
「場所がないなら自分で作ればいいんだ!」と。
大学内で「声優サークル」を作ってしまう
大学生である自分が声を出す場所を確保するにはどうすればいいか。選択肢は2つありました。
1つ目は、演劇部に入ること。私の場合すぐさま却下しました。
『本番前の大半の時間が、稽古よりも大道具作りに追われる』
『学校の講義よりも部活動優先』
『打ち上げや新歓で強制的にお酒を飲まされる』
これらが理由でした。私がやりたいこととは一致しなかったのです。
もう1つの選択肢。
いっそ自分で理想のサークルを作ってしまおう。
結果的にこれは正解でしたね。
自分が学んだことをすぐにみんなで復習できる上に、自分がリーダーとして動かなくてはならない。
つまり、練習の目的や意味を自分が理解していなくては教えられない。より自分を厳しい立場に置けたからです。
サークルを立ち上げた意味と練習内容
仲の良い友人や、そのまた友人に名前を貸してもらって、大学でサークルを立ち上げました。
新年度になるまでは有志の友人たちと自分で、ワークショップで学んだことをひたすら繰り返し練習したり、歌を録音してみたりしました。
やった練習はたくさんあるのですが、練習する上で必ずしようと決めていたことがあります。
それは「みんなは趣味でやっているから」などと、自分にも周りにも甘えさせないことです。
勘違いしやすいところですが「自分はプロは目指していないし…」と思って何となくやるよりも、思い切り全力でやったほうが楽しいものです。
少なくとも、友達と一緒に大きい声で、ただ何となく練習しているよりも、ずっと有意義な時間を過ごせていたと思います。
養成所入所オーディションの対策
冬になって、いざ入所オーディション。
ここまでたくさん協力してくれた仲間たちですが、この時にも協力してもらいました。
オーディションの内容といえば大体決まっています。
【1】自己アピール
【2】セリフ
【3】朗読
【4】ナレーション
これらをした後、面接官と話したり、場合によっては審査内容に歌が入ってたりします。
この自己アピールがかなり大切なので、30秒バージョンと60秒バージョンを用意しました。
そして仲間たちに聞いてもらって、印象に残るかどうか聞いてもらいました。
自分だけではなく仲間たちにもやってもらって、どんな自己アピールが印象に残るか研究しました。そんな仲間たちのおかげで、私は無事に養成所に入ることができましたので、研究の重要性を理解していただきたいです。
派手な声優に憧れているかもしれませんが、なるまでは泥臭い研究が大半を占めます。
派手なことばかりを追い求めるのも、声優志望者にありがちな失敗と言えるかもしれませんね。
>【合わせて読みたい!】】「失敗」や「貯金」は重要?声優の卵にありがちな失敗7選!
念願の声優デビュー
養成所に入ったと書きましたが、実はそれだけでは終わりませんでした。養成所のプロクラスでのレッスンを受けることになり、事務所には最初から所属扱いにしていただきました。
そして、養成所に入ってすぐ、養成所内でオーディションが行われました。周りのクラスメイトはガチガチに緊張していたり、かっこいいお芝居をしていたりと様々でしたが、私はただ思い切って、感情のままに声を出しました。
結果、事務所に入って初日にデビューが決まりました。レッスンを始めてから1カ月もしないうちに、マイクの前に立っていました。「ああ、サークルの仲間たちのおかげだ」と、私は泣きそうになりながら、台本を受け取りスタジオに行きました。
最後に
さて、ここまでサークルを作ったらデビューできた、などと良いことばかり書きましたが、かなり特殊な例だったと今は思います。
普通は養成所に入って1カ月以内にマイク前、なんてことはありません。きちんとレッスンをして、どんな人柄なのかを判断してからでないと怖くて現場にはその人を出せないからです。
ここまで書いておいてなんだよ、と言われそうですが『サークルを作って練習すれば誰でもすぐに声優になれる』というわけではありません。学生ならばそういう道もあるよ、という程度の認識でいて頂けると幸いです。
それでも、人前で演じる度胸をつけたり、教えるために練習の意味を考えることは、現場に立つようになった今でも役立っていると感じます。
>【合わせて読みたい!】声優としての度胸をつける方法とは?
ですから、あなたがサークルを立ち上げたり、部活に入ったりするのは決して無駄なことではないとだけ、申し上げておきたいと思います。
私の経験が、少しでも皆さんの夢の手助けになることを願います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
筆者の情報
・ハンドルネーム:風間
・職業:声優(某事務所所属)
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