声優になるのに「年齢・顔・学歴」はデビューに影響するの?【声優の現実と対策】

声優に顔や学歴は関係あるのか?

「声優さんのイメージってどんなもの?」
そう聞いてみると、今と昔ではイメージにかなり違いが出てきているようですね。

私は声優として活動していたことがあるから、そのことがよくわかります。

 

知らないのも無理はありませんが、最初は俳優のアルバイト代わりとされていた声優の仕事ですが、近年はタレントと同じくらい幅広い活動をするようになってきました。

ですから、最近は「雑誌の表紙を飾る」「テレビに顔出しで出演する」「ライブをしている」といったキラキラしたイメージを持っている方々が多いようです。

 
そういうわけで、今回は声優を目指す方々が気にしてやまない部分、「外見や学歴が影響するのか」について実際に声優として働いている私がお話ししていきたいと思います。

どうぞお付き合いくださいませ。

声優のアイドル化された時代

さて、先ほども言ったように、最近は声優さんがメディアに露出することが大変多くなりました。

その中でも特に顕著なのが、「アイドル声優」の出現です。ラブライブやアイドルマスター、バンドリなどのコンテンツに代表されるように、今やアイドル声優戦国時代と言えるでしょう。

 

特にバンドリは、音楽ができる声優起用を想定してオーディションを行なっているほどです。

その後のライブでの運用を考えているわけです。

 
アニメだけではなく、バラエティ番組や紅白歌合戦に出ている水樹奈々さんのような声優もいるくらいですから、その活動範囲の広がりはめざましいものです。

 

ということは、メディアに露出する分、声優も顔や体型が重視される時代になってきたということですね。

高学歴声優も増えてきている

ところで、タレントやアイドル活動をする声優が増えたのはご存知の通りですが、今は大学卒業をしている声優や、中でも早稲田や上智大など、日本において難関大学を卒業した高学歴声優も増えてきています。

そういった高学歴声優の方々はやはり台本の読み込み方に優れているなと観ていて感じます。そうすると自然、深みのある芝居ができるわけですね。

 
声優になれない時の保険という意味ではなく「自らを鍛えるために大学に行く」というのも1つの素晴らしい選択だと思います。

ただし、この場合、大学ブランドに固執して「どこどこに受からないとダメだ」と目的を見失わないように注意しましょう。

あくまで、台本を読み込む能力を付けるために大学を利用するだけなのですから。

そもそもとして、読解力に自信があれば大学は不要でしょう。

将来の夢に早期選択を迫られる時代

ここまで、声優のアイドル化と高学歴化についてお話ししました。

ですが、ここで1つの矛盾が出てきます。

 

それは『アイドル声優ならば10代のうちに活動すべきだが、きちんと大学を卒業してから目指すなら22歳を超える』という点です。専門学校に通うとしても20歳は超えます。

 

アイドル声優を目指すならば、年齢は若くなくてはいけません。

 

ですから選択肢として、3つから選ぶ必要があるでしょう。

【1】中学生・高校生のうちに養成所に通う

1つ目は、『アイドル声優を目指して、中学生か高校生のうちに声優の養成所に通う』という選択。

ただし、それを選んだ場合は普通の学生生活を送れませんから「普通の学生を演じて」と言われた時に、普通の学生のお芝居のレベルが低くなる可能性があります。

 

普通の学生生活という意味では人生経験が足りていないのですから、これは当然ですね。

声優にならず普通に生きる場合には、大して気にしなくてもよいのですがやはり演じる場合には重要な点でしょう。

【2】大学を卒業して声優を目指す

2つ目は、「大学を卒業してから声優を目指す」という選択です。

人生に対する保険にもなりますから堅実な選択ではありますが、10代と比べて芝居に対する吸収力が劣っているのは間違いありません。吸収力が劣る分だけ、大変な努力が必要となります。

 

もちろん、大変な努力が必要なのは声優を目指すならば誰でもそうなのですが、この場合はより一層、ということです。

【3】大学と養成所の両方とも通う

最後の選択肢で「大学と養成所に同時に通う」という選択。私はこの選択ができれば1番おいしいです。なぜなら大学一年生ならばまだ18〜19歳。

まだまだアイドル声優として活動できる年齢です。

 

それに大学生でもありますから、通常の勉強をしながら目指せるという最高の環境があります。

 

ただし、この選択はどの選択よりも大変でリスクも多大です。

受験勉強をしなければならないし大学でも勉強、しかも演技も学ぶ必要があります。

 

他の誰より努力する覚悟がある人であり、大学資金と養成所の資金、併せて700万~900万円程度のお金が軍資金として必要になります。

 

親がそれだけのお金を出費してくれるだけの経済力と理解力が必要であるため、この選択肢を選ぶには生まれながらの環境も考慮してください。

 

「親からお金は借りないで、自力でバイトで稼げばいいじゃん」

と、自分でバイトで稼ぐという手もありますが、声優の勉強をして大学受験の勉強もして、700万〜900万円を稼ぐためにアルバイトをするとなると、高校3年間で稼ぐと仮定して、1か月に19万円~20万円を稼ぐ必要がでてきます。

 

1日に換算すると、およそ6500円程度。

高校生の時給が大体900円と考えて、その金額で6500円を割ると、一日7時間土日休まず働かなければなりません。

高校生なのですから学校にいかなければならず、朝7時起床〜夕方4時まで学校にいて、そこから7時間働くと、帰宅は夜の11時(23時)~12時(24時)です。

 

まとめると、

<1>1日7時間、土日も休まず働く!

<2>時給900円だとしたら6500円は1日稼がないと!

<3>帰宅は毎日24時えになってしまう。

これらの3つの条件を満たさなければ、なりません。

 

こうなると、部活は当然できず、勉強もおろそかになってしまい、「勉強・声優・バイト」の3つ全てを満たすのは実質不可能です。

なので「大学資金と養成所の金額を全てバイトで稼ぐ」という選択肢はあまり期待しない方が良いです。

ロクな結果にはなりません。

 

なんにせよ、この3つの目の選択肢を選べる人は限られており、目指せる人でも、相当な努力を必要としますので、達成できれば環境としては最高ですが、相当な覚悟が必要な選択だと思っておいてください。

>【関連記事】声優志望者がやるとコミュニケーション向上に役立つアルバイト一覧

今の声優志望者がやるべきこと

さて、メディア露出が増える以上顔や外見が気にされる時代と言いましたが、それはなにも完璧に整った顔であれ、ということではありません。

セルフプロデュースすることを心がけよう、ということです。

 
わかりやすくいうと売れるためには、女性であればまず細い方が良いです。

あくまで芸能界ですから当たり前ですね。

 

自分が商品であることを第一に考えましょう。また、メイクも上手な方が良いです。

声優の場合は、基本的にメイクさんなんていません。自分でメイクするものと思ってください。

>【関連記事】ブサイクでは声優になれないのか?

 

服装も自分に似合っているもの、売り出したい方向性を考えて着るようにしましょう。

小太りでロリータ系ファッションにしてメイクもボロボロで〜〜〜なんて、もう目も当てられませんね。

よく考えて見栄えを最大限重視して、おしゃれをしてください。この際、ファッションの好みは捨ててください。

 
男性の場合はそこまで気にする必要はありませんが、男性アイドルコンテンツは「刀剣乱舞」や「サイドM」、「あんさんぶるスターズ」など、大変人気がありますから、痩せているに越したことはありません。

 

また、服装も清潔感のあるもので、安っぽく見えないものにしましょう。

 

自分でわからないならファッション誌の服を真似してみるか、雑誌に載っているものから似合うものを、店員さんや周りの女性に選んでもらうのが間違いないでしょう。

 
もし、アイドルコンテンツを目指す人は早いうちにダンスや歌を習っておくと、大変有利になりますよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

男性よりも女性の方が気にすることが多くて大変かもしれませんね。

 

ですが、芸能界を生きる方々は、皆そういう努力を絶やさないということです。

 

自分がやりたいこと、やるべき方向をよく考えて、今の時代に合った目指し方やセルフプロデュースが出来ると良いですね。

この記事が、少しでもあなたの夢のお手伝いになることを願っています。

筆者の情報

ハンドルネーム:風間

職業:声優

【執筆記事】社会人の声優志望・声優なりたての人が持っておくと良い持ち物4つ

【執筆記事】コミュニケーションを鍛えられる声優志望がやると役に立つアルバイト一覧