今、声優を目指す人が30万人ほどいると言われています。だって、声優として活躍する自分を想像することは、とても楽しいですからね!
声優として演技をしている私も、活躍する自分を想像してはウキウキしていましたね。
と、そんな理想を現実にするためには、思っている以上の努力が必要になります。
これはもちろん技術だけの話ではありません。
自分の内面を常に磨く必要があるのですが、今回はそんな声優の卵の方が陥りやすい失敗例をいくつか挙げてみました。
気づかないうちに、自分もそうなっていないか?失敗してないか?
ちゃんとチェックしておきましょう。
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【失敗1】自分に自信がない為、積極性がない
これは声優のレッスン場に、未経験で通い出した人によくある例です。
「右も左も分からない、ネットで拾った知識しか情報がない…」という人にありがちな失敗ですね。
例えば付属養成所や専門学校の場合、他で勉強をしたことのある経験者が必ずいます。
このような経験者がレッスン前に、まるでけん制するかのように発声練習をしているのを見てしまうと、自分に自信がなくなってしまうでしょう。
その上レッスンでは、どのような形であれ「積極性」を見られる場面が出てきます。
例えば朗読の授業で、講師から「〇ページから〇ページまで読んでくれる人はいる?」と問いかけられたとします。
ある生徒が瞬時に手を挙げ、「私・僕やります!!」と大きな声で立候補してきました。これが「積極性」です。
未経験の人は「失敗したらどうしよう…」と不安になり、なかなか前に出て行きづらいと思います。
しかしこのような場合、講師は別に上手く読んで欲しいとは思っていません。
もちろん上手ければ良いに越したことはありませんが、声優の卵にそこまでは望んでいないのです。
それより講師は、「下手くそなりに、マネージャーや音響監督にガンガン突っ込んでいけるのか」という積極性を見ることが多いので、勇気を持って挙手してください。
未経験だろうが、滑舌が悪かろうが関係ありません。まず積極的に前に出ることは、必然的に事務所所属への第一歩になるのです。
【失敗2】根拠のない自信がある
これは先ほどの逆バージョンです。
「専門学校時代、成績が良く先生からもよく褒められていた。今回は養成所には特待生で入所している!」など自信過剰なケースですね。
自分が他人より優れていると分かった時、誰もが自信を持つと思います。でも、よく考えてみてください。
どの範囲で優れていると思いましたか?クラスメイトの中ですか?もしかしたら仲が良い友達の中だったりするかもしれません。
しかし、現在声優志望者は30万人といわれています。
その中で、ベスト10に入るくらいの実力があれば話は別ですが、大抵の人はおそらく違うでしょう。
正直、「自信がなく消極的」より「根拠のない自信を持っている」方が、声優を諦めてしまう人は多いです。
これはなぜかというと、何かしら壁にぶつかった時、自信を持ち過ぎた分心が折れやすいからです。
自分の力を過信しない、でも積極的にチャレンジしていくことが、周りからの評価も得やすくなります。
【失敗3】十分な貯金がないまま声優を目指し出す
声優を目指すために、大体の人は専門学校もしくは養成所に通うことになるかと思います。筆者の私もそうでした。
しかし、育成をする養成機関なので、もちろんお金は掛かります。専門学校は週5日2年制の場合、年間100~150万といわれています。
社会人向けの場合でも、夜間・週末のみのコースで30万。
一応奨学金やローンが組める制度もありますが、金利が高いので費用より多く支払う結果になってしまうでしょう。
しかも、そこにプラスして、ボイスサンプル実習や事務所オーディションを受ける際の別途費用が発生します。
実際私が専門学校に通っていた時は、オーディション用の写真を撮るということで、ヘアメイク込みで2万払いました。
対する養成所は、安い所でも入所金10万、週1回コースで年間30万、週3回コースで60万です。
専門学校から養成所を渡り歩く人は珍しくありませんが、かなりお金がかかることが分かりますよね。
年齢的にも、今の環境を変えたくて早く目指したい人は多いと思いますが、まずは貯金はどれくらいあるか冷静に考えてみてください。
「費用を稼ぐためにアルバイトをすると練習する時間がない」「だからといって働かないと生活出来ない…」
こうならないためにも、社会人の場合、最低2年分の学費くらいの貯金はあった方が確実に余裕ができて無難です。
「オーディションが近いから、バイトなど休んで集中して練習したい!」そんな時に余裕が持てるので貯金は用意してください。
余裕を作るためにアルバイトで稼いでから、養成所や専門学校に入るか、親を説得して貯金がなければ援助してもらうなどを考えてください。
>【関連記事】声優志望者がこのアルバイトをやると役に立つし、相性が良いバイト4つ
【失敗4】毎日の基礎練習を怠っている
声優の基礎といわれている「発声」と「滑舌」は、毎日の訓練によって維持されています。
実際とある講師が「毎日2時間基礎練習をするように」と生徒に義務付けているほどです。
とはいえ、あなたはあくまで声優志望者。
レッスン以外にも仕事だったりして、なかなか時間の確保が難しいかと思います。
そんな時は2時間練習しなくても、1時間、30分だけでも構いません。大切なのは、毎日続ける努力です。
ほんの数日だけ発声練習や滑舌の練習をサボっただけで、自分でもびっくりするくらいに呂律は回らなくなります。
そして、元の状態に戻すのにサボった分の2倍はかかると思っておいてください。(実際、2倍以上掛かります。)
毎日疲れていて、つい練習をサボりがちになる気持ちももちろん分かります。
しかし、ワンピースのルフィ役やドラゴンボールのクリリン役で有名な声優の田中真弓さんですら「今でも外郎売をする!」と公言しているのですから、声優の卵である皆さんがやらないわけにはいかないですよね?
それだけ発声練習や滑舌の練習は基礎であり、基礎は一生続けるものだと思ってください。
【失敗5】慣れ合いが苦手で、人付き合いを避ける
声優業界はいわゆる「体育会系」です。
そのため新人は特に誰よりも空気を読んで、誰よりも監督や先輩たちに気に入られる必要があります。
しかし反面、声優の卵は人見知りが多いのも事実。
「あんまり人と喋れないから…」「お金ないし、たかが同期と慣れ合う必要がない」と思っている場合、これはかなりのマイナスになるでしょう。
現場の打ち上げや飲み会では、新人が積極的にドリンクや料理を注文したり、場を盛り上げる役目を担うこともあります。
積極的にいろんな人と会話をすることで、声優に関するありがたいお話が聞けるかもしれません。
普段会話をしない、飲み会も行かない、人と接することを避けている人が、果たしてこの「新人の役目」を務められるのでしょうか。
技術も大事ですが、コミュニケーション能力を磨くことも、声優業界で生き残るための秘訣でもあります。
【失敗6】レッスン又は現場の失敗を引きずる
誰しも失敗はつきもの。
「アフレコレッスンで、パクが合わなくて他の人に迷惑かけてしまった…」「現場で、監督からのダメ出されリテイクを多く貰ってしまった」などなど声優失敗あるあるは数えきれないほどあります。
失敗した瞬間、血の気が引いてパニックを起こしてしまい、さらに有り得ないミスを起こす…と負の連鎖に陥ることも。
こうなってしまったら、さすがに落ち込んでしまいますよね。
また現場だと、数少ないチャンスを棒に振ったようなものですから、次にいつ仕事が来るのか分からない不安もあるでしょう。
しかしだからといって、次の日以降もその失敗を引きずることは好ましくありません。
声優の卵とプロの違いは、切り替えの早さ。何年も第一線で活躍しているプロの声優でさえ、リテイクや失敗をするのです。
いつまでも失敗を引きずってうじうじするよりは、寝たら忘れるくらいの気持ちの方が次に進めますよ!
それに、他に考えるべきことがあります。
>【関連記事】声優養成所・専門学校に入ったら日々何を考えレッスンするべきなのか?
【失敗7】タイムリミットを決めず、ずっと声優を目指し続けている
皆さんは、声優を目指し出して何年目になりますか?人によって違いはありますが、私は3年で声優になれました。
そんな私の養成所時代の同期の中に、今年で10年目の人がいます。
別に何年目指そうが、お金と体力さえあれば構わないと思いますが、タイムリミットを決めていないのはいただけません。
「いろいろな養成所を渡り歩いて、オーディションを受けたけど通らない…」「何年か経つにつれて、養成所の年齢制限に自分が引っかかるようになった…」
その方はどう仰っていました。
時間が経てば経つほど、正直デメリットの方が大きくなってきます。
そうなると、ある程度自分の限界が見えてくるのではないでしょうか。
しかし、タイムリミットを決めていない場合、限界が見えていても声優の卵を続けてしまいます。
これは、声優への道を諦めてしまった後の人生を考えたくないからです。
先ほど出てきた10年目の人の年齢は35歳です。
そこで仮にピリオドを打って、就職出来るかといわれたら、確かに難しいのかもしれません。
「社員経験ほぼなし、声優を目指してアルバイトをしていました!」と言ったところで普通の会社の人からしたら、何のアピールになりません。
こうならないためにも、予めタイムリミットを決めて行動してください。人生は1度きり、声優以外でもいくらでも良い人生は模索出来ると思います。
声優志望者がやっている副業からも、そのヒントはありそうだと見ていて思います。?
>【関連記事】【現役声優から見ても】声優志望者がレッスン費用を稼ぐための副業が凄い?副業5個
まとめ
声優になるまでいろいろな試練や失敗があります。しかし上記のことに気をつけて、最短で声優になれるよう頑張ってくださいね!
筆者の情報
・ハンドルネーム:エム
・職業:声優(事務所所属)
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