【新人声優向け】収録現場で次の仕事を勝ち取る「心構え・方法」【プロ声優記事】

こんにちは! 今回は声優志望者として養成所生の時のお話ではなくその後。

つまり、新人声優としてデビューを果たしてから収録現場で次の仕事を勝ち取るお話をしたいと思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

新人声優のやるべきことについて

さて、新人声優としてデビュー、又は端役などのお仕事をいただくことになった時、事務所が1番期待していることは何でしょうか。

上手く演じることでしょうか? それとも、役にぴったりの声でやることや、今までできなかったことをできるようにすることでしょうか?

 
もちろんそれぞれ大切なことですが、これらのことはあくまでも『やって当然のこと』です。

事務所やマネージャーが本当に期待していることは、

 

「次の現場につなげること」です。

 

次につなげると言っても『ミスをしたら次に同じことをやらないように』とか『似た役を次はもっと上手に』といった、技術的な話ではありません。

言葉通り、(その企業から)『次の案件を勝ち取る』という意味です。

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企業側の視点に立って考えてみる

例えば、1つのゲームで端役をもらったとします。

新人のうちは得意な役柄がくるとは限りませんし、5〜6役の兼ね役になるのが普通です。

 

ディレクターの指示通りに全て演じ分けるのは最低ラインとしてやるべきことですが、現場の人たちはそこまで新人に上手くやることを期待していないことが多いです。

 

なぜなら、時間は限られているのにモブはたくさん収録しなくてはならないから。新人に時間なんてかけていられないからです。

ですから、ある程度出来たらオッケーが出てしまいますし、報酬も頂けます。

 
しかし、逆に考えてみて下さい。

期待値が低いということは、期待を超えることも容易いということ。

ですから、私たちが全力でやるべきことは『良い意味で期待を裏切ること』です。

 

「おや、この子は他の新人とはちょっと違うな、面白いな」という印象が与えられます。

そして、上手くいけば「次も、こいつを使ってみるか」という流れになるのです。

具体的にどんなふうに期待を裏切るの?

先ほど、良い意味で期待を裏切れとお伝えしましたが、いまいちピンと来ないかもしれないので、1つだけヒントを挙げてみましょう。

私からお教えするヒントは、設定の読み方です。

年齢や性別などは基本的に指定がありますから、そこからどのように読み取るか、ですね。

あなたなら次の言葉から、どんなキャラクターを思い浮かべますか。

【想定】生徒1、10代、主人公のクラスメイト

 
クラスメイトのモブA君「あ、佐藤くんだ。おはよう」
クラスメイトのモブA君「今日は1限から体育だって。いやだなあ」

 

さあ、どんなふうに演じたらよいでしょうか。

 
多くの人は、自分にやりやすい声で、爽やかな男子生徒か明るい女子生徒を演じてしまいます。

次に来るとしたら、大人しい生徒でしょうか。

それは決して悪いことではないですし、間違っていません。というか、正解な場面はむしろ多いでしょう。だってモブなのですから。

 

 
でも、ちょっとだけ考えて見てください。

なんの変哲もないセリフですが、一部に注目するだけで、キャラの雰囲気ががらりと変わったりします。

例えば『体育が嫌だ』という部分を強調したかったらどんな人になりますか?

 
『体育が苦手だ』と捉えると、以下の7つの特徴が考えられます。

 

<1>引っ込み思案な人

<2>オタクっぽい人

<3>太ってる人

<4>頭がすごく良いけど運動が出来ない人

<5>もしかしたら、体調が悪くて体育が嫌なのかもしれません

<6>体育教師が嫌な教師なのかもしれない

<7>気温が暑くて、動きたくない面倒臭がりな人なのかもしれない

 

そこまで、気がつけましたか?

気がつけたなら、他にはどんな可能性があるか、ぜひ考えてみてください。

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「この子は使えるぞ」の流れを作る

ここまで具体例を出して説明してきましたが、これはゲームの場合の話です。

この挑戦を外画作品でやろうとしたら、間違いなく仕事が来なくなります。

 

それは、ゲームと違って外画は吹き替えである以上、海外の方が演じたものをより良く引き出すことが必要で、自由な芝居は求めていないから。

つまり求められる方向性が違うからです。

 
それぞれの現場に合ったものをしっかり提示することで、

「この子は使えるぞ」

「次も呼んでみるか」

 

という流れをつくれますし、キャスティングに迷った時に「あーそういえばあんなことやった新人がいたなー」と思い出して使ってもらえる可能性が出るわけですね。

そうやって次の現場に繋げていくわけです。

 
お伝えする必要もないかと思いますが、マナーがなってない新人ならどんなに面白い芝居をしても、次なんてありませんし、口で説明するのは簡単でも実際にやるのは大変ハードルが高いことです。

 

しかし、ここを超えなければ、声優として食べていくことは出来ないでしょう。

マネージャーに頼りっきりでは生き残れるわけがありません。

 
自分をどんな風に周りと差別化するのか?

 

ぜひ一度考えて、実践してみてください。きっと何か得られることがあるはずです。

 

マイク前では1回目に突拍子もないことをして「普通にやって」と注文されたら、それはそれでOK。

「普通」へ演じ戻せばよいのです。

 

挑戦して失うものなどなく、デビュー当初はまだ何も持ってないのですから。

チャレンジ精神を忘れずに、どんどんぶつかっていきましょう!

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最後に次の現場に繋げるためのポイントの内容をめとめておきます。

<1>期待されていない分、期待を超えることは容易い

<2>ゲームのモブキャラは表現のチャンスでもある

<3>チャレンジ精神忘れるな!

 

筆者の情報

・ハンドルネーム:風間
・職業:声優(某事務所所属)

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