学生でも社会人でも声優志望者がやって役立つアルバイト5つ【プロ声優記事

「声優をやっています!」といっても最初は、声優一本で食べていくのは非常にむずかしいことです。

売れていない人に限らず、実は表面上売れている声優さんであっても、アルバイトをしながら現場で活躍している場合もあるくらいなんですよ。

筆者の知り合いでも普通にいらっしゃいます。

それでも、声優を続けるのは作品に携われている満足感と自分を表現できている充実感から、この仕事はやめられないと感じているためです。

お金だけが仕事を続ける条件ではないということです。

 

今回は声優志望者が、「どういったアルバイトを経験したら良いのか?」

事務所に所属している声優の私が経験から、まとめてお話していきます!

声優志望の人はアルバイトをどの程度やるもの?

学生さんでも、社会人の方でもプロの声優を目指していたとしても、大半の声優志望者は毎日ようにアルバイトをしており、ほぼフリーターだと思っていいでしょう。

 

ただ、アルバイトをやるとしても、ただ仕事をこなすのではなく、芸の肥やしにする意識をもって臨めば、きっと日々の過ごしかたも有意義なものになるはず。

 

そこで今回は、私自身が経験した、あるいは声優仲間がやっていたおすすめのアルバイトを、4つピックアップしてご紹介したいと思います。

【1】コールセンター

まず真っ先に挙げられるのがこれ、コールセンターのアルバイトです。

このコールセンターは、3つほどおすすめできるポイントがあります。
1つ目は、『時給が良いこと』です。

あまりバイトに時間をかけるのは声優のレッスンの邪魔になるし、突然事務所から呼び出されるかもしれないし…という懸念があるものですが、コールセンターならば高時給で、かなり稼げます。

 

2つ目の良い点は『人と声だけでコミュニケーションをとらなければならないこと』です。

 

声優を目指しているならば、声だけで笑顔が伝えられる、良い人そうだなと思ってもらえる、そういう能力が必須。お客様対応をすることがいつの間にか芝居の練習になっているならば、とても効率が良いと思いませんか?

 

そして、3つ目の最後の利点は『シフト調整がしやすいこと』です。

毎日のように入るアルバイトの場合、なかなかシフトを調整するのが難しい場合が多い中、コールセンターは他の人に代わってもらいやすい場合が多いです。

 

もちろん全てではありませんが、特に遅番の時間帯だと芸能界志望者が多かったりするので、急な休みに対応できるシステムが会社のほうで用意されている場合があります。

シフトの調節が容易かどうかを応募する際にしっかりと確認しておくようにしましょう。

【2】ガソリンスタンド

2つ目に挙げられるおすすめのアルバイトは、ガソリンスタンドのアルバイトです。

理由は簡単で『仕事中に声を張らなければならないから』です。

先に挙げたコールセンターのようなアルバイトだと、なかなか日常的に大きい声を出すことは難しかったりします。

アルバイト後にカラオケに行けば大声を出して発声の練習をすることは可能ですが、金銭的にそれを毎日繰り返すわけにもいかないでしょう。

 

ならば、毎日大きい声を出さなければならないアルバイトにしてしまえば、発声練習の時間を自分の空いた時間に取る必要もなくなるわけですね。

(もちろん、できるならばやるに越したことはありませんが。)

<1>普段から声を出して、大きい声を出せるようになりたい。

<2>お腹から声を出していても潰れないようにしたい。

そんな目標がある人にはぴったりです。

【3】居酒屋、ファミレスなどの店内での「接客業」

3つ目に挙げられる声優がやるべきおすすめアルバイトは、居酒屋やファミレスなどの飲食店、ゲームセンターやコンビニの店員といった、店内での接客業です。

なぜ『店内の』という但し書きがつくのかといいますと、2つの理由があります。

 

1つ目の理由は、『店内の接客は丁寧な接客がとにかく必要なこと』です。

 

飲食店の接客は家族連れだったり団体様であったり、あるいはカップルであったりと年齢も職業もバラバラの人が多く、対応するのも大変かもしれません。

しかし言い換えると、それだけたくさん『人間観察が出来る』ことになるんです。

 

中学生はこんなふうに喋ってるな、親御さんから子どもに話しかけるときはこういう感じかな。

というように毎日の接客が芝居の勉強になるのは間違いないです。

仕事をしながら思う存分他人を観察し、自分の芝居に昇華していけるようにバイトを利用しましょう。

【4】家庭教師

最後は変わりダネですが、家庭教師をおすすめしたいと思います。なぜ勧めるのかというと、『時給が良い』のと『シフト調整が非常にしやすい』こと、そして何より『理解力が鍛えられるから』です。

 

この最後に挙げた『理解力』というのが役者をする上では非常に大切です。きちんと台本を読んで、内容を深いところまで理解するだけの頭の良さがないと、声優にはなれません。

 

そして、自分が本当に理解できたかどうかは、人に教えられるかどうかではかることができます。つまり、『毎日考え、人に伝える力を身につけられる』こと。

これが家庭教師をやる上でのメリットになるでしょう。

【5】メイド喫茶/メイドカフェのメイド

メイド喫茶には、オタクのお客さんがたくさん来店します。なのでメイド喫茶のアルバイトをすると、声優になった時に、どんなお客が対象となるのか?

を理解した状態で声優に挑むことができて、声優になった時にイメージのギャップが生じません。

声優志望者がバイト選ぶ時のポイント

以上の5つが声優事務所に所属する私が選んだ声優志望向けのおすすめのバイトです。

もちろん「これが役に立つ!」と思ったら、そのアルバイトはあなたに向いているはずですから、どんどん挑戦してください。

 

バイトを選ぶ上で注意すべき点は、

 

<1>シフトの調節のしやすさ

<2>時給の高さ

<3>勤務地

<4>勤務時間

 

この2つです。

でも、この中で特に重要なことは、

それは、『勤務地』と『勤務時間』の2つです。

 

『毎日専門学校や養成所に通う場合』は、早朝か夜のアルバイトになりますが、きちんと毎日自主練の時間が取れるように、無理せず働ける場所を選びましょう。

働きすぎでレッスンに支障をきたしては意味が全くありませんし、本末転倒です。

 

また、勤務地は自宅に近いほうが、終わった後にすぐに帰ることができてより時間を有効活用することができますね。

 

一方で『週1〜2回の養成所に通う場合』は、生活費がきちんと稼げるくらいにバイトのシフトに入れて、かつ調整が可能なバイトを探さなければいけませんからなかなか大変です。

安易に決めるのではなく、バイト選びはじっくり選んで決めてくださいね。

 

もう一点、勤務地は養成所や事務所に近い方が良いと思います。

事務所からの急な呼び出しへの対応や、仲間内での自主練をやるにしても、事務所付近の方が何かと行動がしやすいからです。

 

急に呼び出されることは割とあることで、たとえば事務所の勘違いでスケジュールを入れており、急に呼び出されたこともあります。

事務所のミスだとしても、こちらは雇われている身。文句は言えません。

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アルバイト中も声優を意識すること。

ずっと続けていると生活費のためだけになってしまいがちなアルバイトです。

中には、アルバイトの忙しさと時給が貰えることに安堵し、養成所に入っていても、途中でレッスンに来なくなってバイトばかりやっている同期もいました。

アルバイトにも何を鍛えるためにバイトをしているのか?その目的意識を持たなければ、バイトの雰囲気に飲まれて「声優」という夢を諦めることになりかねません。

 

毎日だらだらと目指すのではなく、声優を目指すならば「一分一秒」を惜しんで生活する必要があります。

なぜなら、声優になった際にはラジオに出演することも出てきます。

 

たとえば、アニメ「ワーキング」や「ニューゲーム」などのような働くことをテーマとした作品に出演すれば、アルバイト経験を話す機会もあるでしょう。

そうなった際に、面白い体験がでできそうバイトを選んだ方が、後々そのような機会に話せる幅が広がりますよね

筆者の情報

・ハンドルネーム:優希

・職業:声優(某声優事務所所属)

 

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