声優志望者は演技で出せる声のバリエーションを増やすために、発声練習を重ねる必要があります。
でないと、専門や養成所に入ってから、同期と声量差を感じて泣くハメになります。
ボーカルを目指しているなら、大して伸びない歌声になってしまったり。
アナウンサーの場合なら、滑舌に影響しますよね?
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そもそも人ってどのように音を出しているの?
そもそも人間はどうやって声を出しているのでしょうか。
管楽器を例に出すとわかりやすいです。
管楽器は吹き込まれた空気が管の中で振動して音を出しますが、実は人間も同じ仕組みで音(声)を出しています。
その仕組みを説明すると、まず肺から出た空気が声門にある声帯を振動させます。
そこで音の元を作り、喉頭・咽頭を経て口腔もしくは鼻腔で共鳴し、音声となって外に出てきます。
その際、舌や歯で言葉となるように調整されます。
発声の際、喉仏を意識しつつ触ると響いているのが分かるはずです。
参考:発声に関するwiki
発声練習で可能になること
発声練習をすることによって、大きく変化するのは「呼吸」の仕方です。正しい呼吸を行うことで、声の演技の基礎を作ることができます。
体に力を入れず、しっかり息を吸って、一定の量を吐き続けることがポイントです。こうすることによって、安定感のあるマイクに乗りやすい声を出すことができます。
また、正しい呼吸を身に付けられれば、喉や肩に余計な力が入ることもありません。
発声練習のメリット
発声を意識することによって、普段の生活でも様々なメリットが生まれます。
・声優
・ナレーター
・ボーカル
・アナウンサー
上記を目指す人が発声練習をするイメージがあるかと思います。
しかし、業界を目指さない一般人でも、発声練習をすることで滑舌が今より良くなり、聞き取りやすい声に変わります。
初対面の人が聞き取りやすい声をしているだけで、第一印象がぐっと良くなると思いませんか?
近頃は、ビジネスマン向けの話し方講座もあるほど、世間は発声に関心を寄せています。
声優志望者さん以外も、ぜひ発声練習を取り組んでほしいと思います。
声優志望者さんの場合、常日頃から発声を訓練しなければ、以下のよう5つのキャラクターを演じ分けるのは難しいです。
<1>大人しそうなお姉さん声
<2>甲高い妹声(参考としては金田朋子さん、吉田有里さんなど)
<3>親近感のある同級生声
<4>魔性の女キャラクターの声(声優さんからも高い笑い声などが特に難しいと評判が。例えばデヴィ夫人さんの高笑いなど)
<5>女性なら男の子の声
呼吸の方法をコントロールできれば、その分出せる声の種類も増えます。
最初はどうしても上手くいかないものです。しかし、声優を目指す皆さんなら、練習すれば必ず乗り越えるはずなので頑張って欲しいです!
また、発声練習をする時の場所ですが、家だと騒音面で不安になると思います。
もちろん家の防音を強化することで、発声練習をすることができる状態にするのもアリです。
家の中だと、クローゼットの中が比較的漏れにくいですかね。
発声練習をしても迷惑じゃない場所4つ
家以外で発声練習を思う存分することができる場所といえば、以下の4つです。
<1>カラオケ(都会ならどこでもある)
<2>スタジオ(探す必要あり)
<3>山(田舎ほど良い)
<4>自分または家族の車(持っていれば)
この4つが有力です。それでは、順番に説明していきます。
<1>カラオケ
カラオケは、もはや練習場所の鉄板ですね。
フリータイムならドリンバー付きで千円で利用できるのもお金で成長に投資している声優志望者さんなどにはリーズナブルです。
<2>スタジオ
スタジオは安くて3時間7000円ほどです。ちょっと高いので練習のためだけに使うのは厳しいでしょうけど、ボイスサンプルを撮る時の下見も兼ねて、一回いってみるのも良いですよ。
<3>山
山は人が少なければどこでも大丈夫です。たまに楽器の練習をしている人もいますよね?
費用も掛からないので田舎に住んでいるか、山の近くに住んでいるなら利用すべきです。ただし、夜遅くに電灯が少ない山道を登るのは危険なので注意してください。
<4>車
自分か家族が車を所有していれば、その車内で発声の練習を行うのは有効です。
特に車道の近くの駐車場においてある場合、車の走行音で車内の音はほとんど聞こえません。
もしくは、逆に人通りがあまりない駐車場に車が止まっているなら、そのまま車内で発声練習ができます。
どうしても場所的に音が漏れる心配がある場合、車内に防音のマットや風切り音を防ぐ車用品を購入すると良いでしょう。
近所迷惑かも…音漏れを確認する方法は?
声が漏れているかどうか気になる人は、外にボイスレコーダーを置いて録音してみてください。
外に漏れてれば、自分の発声を行っている声が収録されているはず。
されていなければ、気兼ねなく車中で練習しましょう。
外から練習風景を見られるのが恥ずかしい人は、車内で使える黒カーテンを使って隠してしまいましょう。
「オタクのお子さんが変なことしてますよ。」とご近所で噂になるのは避けたいですしね…。
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発声練習の5つの前準備
では、発声練習の仕方についてご紹介します。
まず、発声練習をする前に「立ち方のチェック」から始めましょう。ポイントは5つあります。
【1】立った時に体が前後していないか?
【2】あるいは体が左右に傾いていないか?
【3】あごが体から前に対して出てしまっていないか?
【4】背筋が曲がっていないか?ピンと背筋が伸びているのかどうか?
【5】肩に「力」が入って立っていないか?
自分の姿勢を体の上から順に5つほど確認してみてください。
この5つがクリアできていれば、発声の練習に入りましょう。
発声練習の方法
真っすぐ立てていることが確認出来たら、ストンと肩を落として脱力してから、次に呼吸を意識しつつ発声します。
【1】鏡で自分の身体がちゃんとまっすぐに立っているか?
【2】上からヒモで引っ張られているイメージでまっすぐ立てているかどうか?
【3】声を呼吸と一緒に少しずつ乗せていき、ため息を出すようなイメージで息を出して行く。
【4】吐き終えたら鼻から息を吸って行く。
【5】息が溜まったら、「アー」と息が続かなくなるまでまっすぐ声を出す。
【6】3〜5を繰り返す。
これが発声練習の基本のやり方となります。
腹式呼吸でマイク乗りが良い声を出す
発声練習は、喉を締め付けず身体に負担をかけないように発声することが大事です。
その為にも、いち早く腹式呼吸はマスターしておきましょう。腹式呼吸ができるようになると、マイク乗りが良い声が出せるようになります。
腹式呼吸とは、横隔膜の上下運動による呼吸法です。胸骨を広げるように膨らます方法である胸式呼吸と違い、喉をはじめとした発声器官への負担が少なくなる特徴があります。
腹式呼吸は睡眠時の呼吸ですので、慣れない最初のうちは仰向けになって呼吸をし、お腹の動きを確認しながら練習を行うとコツが掴みやすくなります。
「喉を開く」感覚を掴む
次に、咽頭(いんとう)を開いての発声です。
咽頭(いんとう)とは喉仏の上から喉奥のことを指します。
(出典:日本耳鼻咽喉科学会より)
正しい口の形をしていない限り、聞き取りやすい声は出せません。意識的に咽頭を開くことで、「無理に大声を出さなくても十分聞こえる声」になります。
<咽頭を意識した発声方法>
【1】まず、口を「ア」の形にします。
【2】生あくびで「アー」と声を出します。
【3】その時の喉の状態のまま発声します。
この際、かならず姿勢を正し、余計な力を入れないようにしましょう。
また、練習前には全身のストレッチを行うと良い声が出やすくなります。
なぜなら、発声は全身の筋肉を使うからです。声優業は、意外と体力勝負なんですよ!
腹筋や背筋も行うことで、長時間の収録でも力強い声が出せるようになります。。
・発声がうまくできていない状態
「発声が上手にできていない状態」は主に以下の2つが考えられます。
・吸った息が音にならずに逃げてしまう
・吸った量以上の音を出そうとして無駄な力が入ってしまう
呼吸と音のバランスをコントロールし、スムーズな発声の流れを作るためにも「発声練習」は重要なのです。
発声練習は長時間続けないで
実際にやったことがある声優志望者さんは分かると思いますが、発声練習って結構しんどくないですか?続けているうちに、声が枯れてきたり集中力がなくなったり…。
発声は、長時間続けるには不向きな練習法です。喉が痛いと感じたときや、クラっとする酸欠に似た症状が出たらすぐに練習をやめましょう。
中には「声優を目指す人間なんだから、多少の無理も承知!」と考える体育会系もいるかもしれません。しかし、「発声練習をなぜやるのか?」を考えてみてください。
「演技を上手くなりたい」「ハスキーボイスや高音を出せるようになりたい」ではないでしょうか?
発声練習に無理は禁物です。慣れないうちは喉の負担も大きいはずなので、「発声練習のやりすぎで、喉の炎症を起きた…」なんて事態になったら元も子もないですよ!