青二プロダクションは、1969年設立以降、数々の制作会社のキャスティングを担った大手プロダクションです。
その付属養成所として、「青二塾」があります。
「進撃の巨人」リヴァイ役の神谷浩史さん、「スラムダンク」流川楓役の緑川光さん、「ゆるゆり」船見結衣役の津田美波さんも青二塾出身なんですよ。
現在、東京校と大阪校にある青二塾ですが、学校によってシステムや学費が違うことが分かりました。
今回は、大手だからこそ入塾試験も難しい「青二塾」についてご紹介します!
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養成所「青二塾」の特徴や良い点は?
まずは、私が現場の声優つながりで聞いたこともある「青二塾」の良い点について説明していきます!
年齢層や出身者が幅広い
青二塾の入塾は高卒以上からで、大阪校のみ28歳までとなっています。そのため通っている人の年齢層は、20代がほとんど。10代や30代もいますが少数です。
また東京校では関東出身者が63%、地方出身者が37%と、全国から青二プロダクション所属を目指して頑張っています。
また中国や韓国、さらにはブラジルまで、外国人も青二塾の門を叩いていることから、「声優養成所の名門」として名高い存在だというのが伝わるでしょう。
東京校と大阪校の2つがある
青二塾は、東京校と大阪校の2校があります。
・東京校
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-11-18 MビルB1
最寄り駅:JR吉祥寺
定員:Ⅰ部が60名(30人ずつ2クラス) Ⅱ部が40名(20人ずつ2クラス)
・大阪校
大阪市淀川区西中島6-2-3 チサン第7ビル1212号
最寄り駅:地下鉄新大阪駅
定員:60名(30人ずつ2クラス)
東京校Ⅰ部は週5日1年間
「東京校I部」は、声優専門学校でいう「全日制」です。10時~17時まで、週5日で1年間通います。
1年で所属オーディションが受けられるので、専門学校と比べて短期決戦になるでしょう。授業内容は以下の通りです。
・演技
・ゼミナール(パントマイム・人形劇など)
・日舞
・洋舞(モダンダンス)
・発声
声優養成所で、歌やダンスのレッスンはあっても、パントマイムや人形劇が習えるのは青二塾だけでしょう。
ちなみに日舞と洋舞を取り入れているのは、演技者として基礎的な必須要素と自然体な体の動きを習得するためです。
「声優」としてというよりは、「演者」としての勉強をみっちり行う形ですね。
東京校Ⅱ部は週3日2年間
「週5日も学校に通う時間がない…」という方に、「東京校Ⅱ部」があります。こちらは、週3日夜間のみで2年間通います。
そのためⅡ部には、働きながら通う社会人が多いです。授業内容は、Ⅰ部とほぼ一緒となります。
大阪校は週2日2年間
大阪校は、週2日土日のみで2年間通います。時間は週によって違いますが、昼夜と授業があります。
また大阪校では、1組が学生、2組が社会人と振り分けられています。原則クラス変更は出来ませんが、塾生の事情により変更も可能です。
青二プロダクション所属率は青二塾からが1番高い
青二プロダクションへの所属オーディションは、3月に行われます。この所属オーディションは、青二塾以外でも、専門学校で12月~1月に開催されています。
これは、とある年の所属者の内容です。
・Ⅰ部:8名
・Ⅱ部:4名
・大阪校:5名
・その他(専門学校):5名
やはり青二塾から所属する人が多いですね。その中でもⅠ部は8名所属しているので、青二声優を目指すなら、東京校Ⅰ部が一番可能性が高いと言えるでしょう。
青二塾のあと一歩惜しい点や厳しい点は?
今度は、青二塾の厳しい点を辛口に評価していきます。
入塾するための試験倍率がめちゃ高い
青二塾は、東京・大阪校合わせても160名までしか入塾することが出来ません。
東京と大阪の2つを合わせて160名ですよ?
しかも、最大手プロダクションの養成所オーディションなので、それはもう、もの凄い人数の受験者が集まってきます。
試験倍率が3倍といわれているので、他の入所試験と比べると、厳しい戦いになるでしょう。ちなみにオーディションの流れや内容は次の通りです。
・2月中旬:1次試験(書類選考…課題に沿った作文)
・2月下旬:2次試験(面接・朗読・自由課題)
・3月上旬:結果発表
気になるのが、2次試験の「自由課題」。調べてみた所、どうやら自分でお題を決めて、1分間パントマイムをするようです。
要するに「声を出さずにどれだけお題に沿った表現が出来るか」を審査するということですね。
突然言われると、「えっ!?いきなりパントマイム!?」とパニックになりがちですが、安心してください。
そもそも青二塾受験者の約9割は初心者。上手くやろうとはせず、自由に楽しんで演じることが大切です。
また審査員も、演技の上手い下手を見ているのではなく、「その人が持っている表現力やタレント性」を見ています。
そのためなるべく緊張せず、自分のやりたいようにやってみる方が良いでしょう。絶対の合格方法などないのですから、落ちたら縁がなかったとすぐに諦めるのが効率的です。
けして、落選したからと言って自分の人格まで否定されて、もう私の存在価値はないんだ。とか考えないように。人間性を1分で見れたらその人はもう神ですよ。
落選しても落ち込まないように注意しましょう。落ちる方が普通です。
青二はとにかく学費が高い
青二塾は学費がとにかく高いです。高くてもブランド力が高いためそれでも人は集まります。
・東京校Ⅰ部:110万(1年間)
・東京校Ⅱ部:110万(2年間)
・大阪校:106万2000円(2年間)
東京校Ⅰ部の場合、1か月で約9万2000円、Ⅱ部だと約4万6000円の計算になります。
授業の時間数を見ると、若干大阪校の方が安いですが、他の養成所と比べても高額には違いありません。
ちなみに青二塾の塾生では、「日本政策金融公庫」という財務省が管轄の特殊法人の教育ローンを利用することが出来ます。
公式サイトの記載によると、
「受験前に申し込み手続き、書類審査をお済ませください。合格後の手続きになりますと、納入手続きに間に合わない可能性がございますのでご注意ください」
とのこと。公式サイトから引用しています。
とはいえ入塾することが分からない段階でローンを申し込むのは、正直疑問に感じるでしょう。
青二塾からしたら「もし試験に落ちたらキャンセルすれば良い!」という考えかもしれませんが、キャンセルの手続きも拝見した限りでは面倒ですし、出来れば「合否」が分かってからローンを組みたいですよね。
この点は面倒な手続きが増えている印象を持たざる終えません。
見学や体験授業は開催されていない
青二塾は、授業の見学や体験レッスンは行っていません。その代わり、「入塾説明会」が4回ほど開かれます。
時間は2~3時間で、主に授業風景の映像を見たり、塾長との質疑応答といったもの。参加費は無料なので、青二塾に入りたい人はぜひ受けておきましょう。
しかし、実際の行われている授業を肌で感じることは出来ないので、評判や口コミはネットで調べるしかありません。
まとめ
青二塾は、とにかく常に「競争」です。入塾するにも競争、学んでいる間も競争、所属しても競争。
ちなみにジュニア所属として3年間活動し、もし結果が出なかった場合、足切りされてしまいます。
反面青二塾は、厳しいカリキュラムで構成されているだけあり、常に自分を高めるチャンスもいっぱいあります。
最後に分かりやすく判別するために、養成所「青二塾」に通っていた友人の声優からの評判や口コミなども参考に、青二塾養成所のメリットとデメリットをまとめてみました。
青二塾養成所のメリット7つ
【1】「銀河万丈」「草尾 毅」「中村 叉蔵」などの青二プロダクション所属の豪華メンバーが講師として教えてくれるので本物のプロの技を間近で体験出来る。
【2】自然豊かな井の頭公園が近くにあるので散歩や気分転換なども気軽に出来、四季をリアルに感じながら学ぶことが出来る。
【3】テレビ局や出版社を始めとするマスコミが取材に訪れることもあるのでリアルな現場の空気を感じられ、体験が出来る。
【4】秋の旅行会などがあり、同じ熟生のメンバーや青二プロダクションのスタッフなどと仲良くなれ、普段学校では聞けない裏話などを聞くチャンスがある。
【5】卒業生に緑川 光、國府田 マリ子などの有名な先輩がいるので、青二プロダクションに一年間通えば力になるという大きな信頼感がある。
【6】卒業公演は実際に一般の人にお金を払って見に来てもらう公演なので、大きな経験を得る事が出来る。
【7】卒業後は青二プロダクションのオーディションを受けることができ、オーディションに合格した者はジュニアとして所属できるのが大きなメリット。
青二塾養成所のデメリット6つ
【1】大阪阪、東京の二校しかないのでその他の地域に住んでいる人は近辺に住んで通うしか無いので地方の人間は上京する必要があり、敷居が高く感じられる。
【2】朝10:00時から17:00時までみっちり授業があるので他の事をしながら両立する事のハードルはけして優しくはない。
【3】説明会はあるが体験入学や体験レッスンはは無いので、イマイチどんな内容の授業をするのかの空気を感じ取り難い。入学してからは、みっちり授業をするので入学してみないとわからない不安感はある。
【4】授業時間も授業日数も多い事からか、一年間の必要費用が110万円と専門学校などと変わらないレベルでかなり高額。
【5】応募資格が高卒以上で、中卒だと応募資格すらないので敷居が高い。中卒の場合は高卒の資格を取得してから挑むようにする。
【6】大阪校の応募資格が年齢28歳までと他の学校に比べ、年齢制限があり若い点に注意。
アジアアンバーワン声優とも言われる神谷さんのようになりたいと思われる場合は、青二塾は検討する価値があるでしょう。
「青二プロダクションに絶対入りたい!」という場合は、まずは青二塾の荒波を超えて行けるように体力づくりや度胸を鍛えることから、今のうちに始めていきたいところです。