声優を目指す上でほぼ必ず通わなければいけないもの。
それは、スキルを学ぶ場です。
<1>「声優養成所」
<2>「専門学校」
です。
私は、声優のオーディションに参加する立場にあったこともある人間ですが、結論から言うと、どこの専門学校や養成所に入っていても、その学校のブランドだけで採用に至りません。
有名な養成所や専門学校を出ていても、「それはそれ」として見られます。
こんなことを言うと、この記事の存在意義が消えそうですが、声優のオーディションをしていて目が当てられないので、少しでもその状況を改善できればと記事を書きます。
専門学校や養成所に入れれば声優になれると、本当に勘違いされている声優志望の卵の方が多いです。
あくまで専門学校も養成所も演技とボイストレーニングの教育をシステム的に授業化している機関にすぎません。
あなたが事務所に入れるよう売り出すプロモーションを行う費用は含まれていないのをお忘れないように。
ただ『養成所』と『専門学校』は、声優を育成するための機関ですが、どっちが良いかなどよりももっと重要視すべき点があるのを認知されるべきでしょう。
本当に、学校選びよりも気をつけなければならないことがたくさんあります。
今回は、そんな養成所か専門学校内で、日々をどのように過ごせば良いかお話します。
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養成所・専門学校でレッスンをする意味
さて、専門学校・養成所とひとくちに言っても週に1〜2回通うところも、週に5回通うところもあります。どの声優養成所や専門学校でも当たり前にやること、それが『お芝居のレッスン』です。
何を当たり前のことを!と言われるかもしれませんが、声優のタレント化が進む今日、レッスン内容には『歌のボイストレーニング』や『ダンス』を取り入れるところもあれば、『YouTube』に関するレッスンなんてことをする事務所もあります。
どれもやってマイナスになることはないでしょうが、声優とは俳優の一種ですから、決してお芝居の稽古を疎かにしてはならないことは、頭の隅に常に置くべきでしょう。
ボイストレーニングをメインにするなら歌手に、ダンスならダンサーに、YouTubeならそれこそ好きにネットに投稿することができる時代なので投稿してマネタイズの面の強化を行えばよいのです。
「声優として演技を行い、お金を生み出せそうだと採用者に思わせ、実際に実力を発揮する」という最終目標があやふやにならないよう、常に目指しているものをきちんと確認することが大切です。
養成所、専門学校でレッスンを受けている時
養成所に通う場合、同じクラスに初心者もいればお芝居の経験者もいます。
しかし経験者だから上手いのか、上にいるのかというとそうではありません。
レッスンをしてくれる先生はプロですから、どの生徒も大差なく下手な役者にしか見えないでしょう。
ですからレッスンを受ける際に大切なことは、常に『自分の芝居はまだ完璧ではない』と思いながら修正を重ねることです。もし先生が「良いね」とおっしゃっても、「下手な生徒の中ではマシだね」という程度の意味にとらえ、常に向上心を持つことは必要です。
そして毎回のレッスンでやるべきことがもう一つあります。
それは『先生の指示にすぐ対応すること』です。先生が「もっと優しく」「もっと怒って」「元気に」などの指示を出したら、その指示通りにお芝居を切り替えることが何より大切になります。
これは、現場でディレクターや音響監督の指示に対応する力をつけるためにすごく必要なことです。自分のやりたいことじゃないから、と言って対応できないようでは、決して事務所所属になることはないでしょう。
養成所、専門学校でレッスンを受けた後
レッスンを受けた後は、当然ですが先生のアドバイスを思い出しながら、渡された台本を暗記するくらいに繰り返して徹底的に頭に入れましょう。
プロで食べていくのなら膨大な量の台本を読み、理解し深く演じられなければなりません。
いざプロになった時に一瞬で内容を読み込むためには、アマチュアのうちに、台本の内容を深く理解する読解力を鍛えておくべきなのです。
その努力が無理だと思うのなら、残念ですがその人は役者には向いていません。
専門学校・養成所でのレッスン以外の時間は何をするべきなのか?
役者に必要な作業は台本と向き合うことだけではありません。日々の生活が役者にとって何よりタメに時間で、これを有効活用できないと、必ず途中で声優を目指すことをやめてしまうでしょう。
なぜなら、養成所や専門に入ったら何でも鍛えられるわけではないからです。練習はどこだってできるのがその証拠になります。
街を歩くときは、街行く人々を観察して「その動作」や「口調」をこっそり真似してみてください。
家にいるなら、寝転がるときや立ち上がる時にどんな息遣いをしたか、どこに力を入れて動いたかを覚えておく。これらを立ったまま動かずに声で再現できるようにするのです。
こういった日々の生活を自分の中に落とし込んで役立たせる作業が、プロになれるかなれないかの登竜門といった具合です。
今これを読んでいるあなたは、どんな姿勢で、体のどこに力を入れていて、もし話す相手が隣にいたらどんな声で話しかけられそうですか?
専門学校・養成所内での立ち居振る舞いについて
ここまではお芝居に関することを書きましたが、最後にもう一つ、マナーについてお話ししたいと思います。
当たり前のことですが、事務所はマナーのなってない生徒は現場に出したくありません。
事務所の名前を背負って、代表として収録現場に立つわけですから、礼儀正しい人を使わないとイメージダウンに繋がりあなたを採用していた事務所は評判は悪くなり、次の仕事が来なくなります。
ですから、養成所に行ったらまずは事務の人でもマネージャーでも、外部の人であっても必ず元気に挨拶をしましょう。
声優である前に、一社会人であることを意識しなければ採用者には受けません。
事務の人と仲良くなったとしても、決してタメ口で話したりしないように。冗談を言い合える仲になったとしても、きちんと敬意を払うこと。
事務所に入りたいのなら、1人の人間として優れていることを毎日行動で示しましょう。
そうしないと、いくらお芝居が良くてもマナーの面で落とされるます。
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専門学校・養成所 どっちに入るべきか?
最初にに言った通り、どっちに入っても受ける授業内容としては大差ないでしょう。
よく人気な養成所を選ぶ方が多いですが、声優としてオーディションに受かっている新人声優の場合は、養成所出身だけではありません。
結局のところ、採用側からすれば養成所や専門学校のブランドは関係ないです。
どの養成所や専門学校は声優になるための道具です。あなたの努力次第で道具の使い道は変わります。
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