筆者が声優という職業を意識しだしたのは高校二年生の時でした。
当時はそれほど人気の職業でもありませんでしたが、将来を考えた時にふと思い浮かんだのが声優でした。
進路指導が始まる頃、私はそのことを親に相談しました。
そしたらこう言ってくれたのです。
『だったらすぐにでも勉強を始めた方がいい。
とりあえず新聞にタレント養成所のオーディション募集があるから受けてみたらどうだ?』
そもそもうちの親は、息子を映画俳優にしたいという夢がありました。
少し道は違いますが、親が応援してくれるのならやるしかないと決意を固め、私は養成所のオーディションを受けることにしたのです。
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声優養成所の選択
私が最初に受けたオーディションは某芸能事務所の付属養成所でした。
どちらかというと俳優を養成する事務所です。
私は早速オーディションに挑戦しました。
初めてのオーディションでしたが、失敗しても誰かに迷惑をかけるわけでもないし、全く緊張はしませんでした。
するとあっさりと受かってしまったのです。
ここで少し余談ですが、このオーディションの帰りに、中学時代に好きだった女の子に出会ったのはいい思い出です。
それからしばらく交流があって、少しだけ運命を信じてみたくなったことは内緒です。
話を戻して、それからしばらく養成所に通っていました。
かなり期待もされていました。しかし私のなりたいのは声優でした。
そこで高校を卒業するタイミングで、あの有名な声優養成学校『青二塾』のオーディションに挑戦することにしたのです。
約三倍の競争率でしたが、見事に合格しました。
私はタレント養成所を辞めて、本格的に声優を目指す為の勉強を始めたのでした。
アルバイトとの掛け持ちは辛い
養成所は土日だけでした。
今思うと本当は平日もプロになる為の訓練を自主的にするべきでしたが、私はアルバイトをすることにしました。
この頃の青二塾は東京と大阪にしかなく、大阪校だけが土日の授業となります。
そんなわけで私は大阪校に通ったわけですが、将来仕事をするのなら東京に出なければなりません。
私はもう声優になるつもりで、東京へ行く為のお金を貯めることにしたのです。
今思うとこれは失敗でしたね。
プロとして働こうと思ったら、そんなに甘い考えではいけませんでした。
バイトは良いとしても、しっかりトレーニングする時間も必要ですので、これから養成所に通おうとする人達には是非覚えておいて欲しいことですね。
授業はつまらなくても意味があった
私が通った養成所の授業は、ハッキリ言ってつまらなかったです。
原因は私が全く勉強しなくて、演技を上手くできなかったからです。
当時は、正直に言いますと『こんな授業やってられるか!』なんて思っていました。
しかし後々考えると、全てに意味があったのだということに気が付かされました。
やはりやるなら本気でやらないと駄目です。
声優という仕事は、とても幅の広い職業です。
何処で何が役立つか分かりません。
とにかく勉強あるのみだったと、今更ですが思っています。
一緒に勉強していた人が超有名人になることもある
実は、養成所に通っている時に、同じクラスの子を好きになりました。
そうですね、素質があるとか声優に向いているとかそういう雰囲気はまるでない子でしたね。
でも私はその子が将来やる子だとなんとなく感じていました。
それは行動力が半端なくあったからです。
声優に限らず人生は行動したものしか勝利を得られません。
特にこういう競争の世界では、とにかくチャレンジする精神が不可欠です。
その考えは当たっていて、その子の名前はおそらく一昔前のアニメファンなら誰もが知る所となりました。
こういうのは、声優養成所に通っていて良かったと思える所ですね。
今はもう残念ながら連絡も途絶えていますけれど、これもまたいい思い出です。
大切なのは敵ではなくライバルという名の友達
さて現在、今の私の立場を語るのは止めておくとして、声優になる為に一番必要なことはなんだったかということを少し語っておこうと思います。
それはですね、人との繋がりです。
どれだけ多くの人と仲良くできるか、どれだけ沢山のライバルと友達になれるかです。
その為に養成所はとても重要な場所となりました。
これから声優を目指して養成所に通おうとしている人は、それが最も大切だということを頭の隅にでも入れておいて欲しいです。
私はずっと勘違いしていました。
ライバルは敵ではありませんからね。
私は大きな勘違いをして、ライバルを敵と認識したのが失敗だったと今でも本当に感じています。
是非養成所で、沢山のライバルを手に入れてください。