声優に憧れる人の中には、将来性がない職業ということと金銭的な理由でチャレンジできなかった人がいます。
しかし、社会人になっても声優になりたい気持ちが捨てきれず、声優養成所へ入所しようと考える人もいます。
しかし、残念ながら大手声優事務所の養成所では年齢制限があります。
なぜ、養成所に入る際に年齢制限を設ける必要があるのでしょうか?
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大手声優養成所の多くは年齢制限がある
まずは、大手声優養成所の入所資格を見てみましょう。
・81アクターズスタジオ(81プロデュース):27歳まで
・Jボイス・プロフェッショナルスクール(アクロスエンタテインメント):29歳まで
・マウスプロモーション付属俳優養成所(マウスプロモーション):27歳まで
・俳協ボイス(俳協):38歳まで
養成所はありませんが、大沢事務所の研究生オーディションの応募資格は、早くて27歳までとなっています。
このように、20代後半をボーダーラインとする声優養成所が多いのです。
年齢制限がない大手声優事務所もある
声優事務所の中にも、年齢制限を設けない養成所もあります。
・青二塾(青二プロダクション):18歳~
・スクールデュオ(賢プロダクション):レギュラークラスのみ15歳~
・プロフィット付属養成所(プロフィット):15歳~
・talkback(ケンユウオフィス):年齢不問
こうみると意外とありますね。
しかし、入所条件が緩い分入所の倍率が高くなるので、
「お、年齢制限ないじゃん!」と思って、安易に受験すると痛い目にあってしまいます。
なぜ年齢制限があるの?
では、なぜ声優養成所は年齢制限を設けるのでしょうか。それは、今の声優業界で若い子が求められているからです。
近年で、「アイドル声優」というビジュアルを売りにする声優が増えました。
可愛い・かっこいい衣装を着て、歌って踊ってCDや写真集も発売して…。
「声優は顔出しするべからず」はもう過去の話。
声優事務所も時代に乗っかって、「アイドル声優ができそうな若い子」を所属させたい傾向があるのです。
「本来声優は声の役者でしょ!?だから顔が全てではないはず」と感じる人も多いでしょう。
しかし、「人気」と「利益」が欲しい声優事務所は、演技力ばかり重視するわけにもいきません。
ビジュアルが良くて、ダンスや歌も上手い。ちょっと良い声が出せてトークも面白い。
これだけで、大勢のファンを獲得できます。
ファンが多い声優はたくさん仕事が舞い込みます。
看板声優が1人でもいれば、事務所経営は安泰なのです。
近頃「皆声が似たり寄ったり」「新人声優が下手すぎる」という意見が飛び交う背景には、こうした声優業界の現状があるのです。
年齢制限ギリギリで入所した声優志望者のリスク
仮に年齢制限ギリギリで応募して、見事合格して入所できたとします。
しかし、ライバルには20歳になったばかりの若い子もいるはず。
果たして、年齢は声優になる為の障害となってしまうのでしょうか。
年齢が高ければ高いほど貰える仕事が少なくなる
養成所の多くは、優秀な生徒をいち早く現場の経験を積ませようとする傾向があります。
もし同レベルの生徒で20歳と27歳がいた場合、事務所はおそらく20歳を現場に行かせるでしょう。
なぜかというと、若いと吸収力が高いから。
「そんなことないし!」と憤慨する20代後半もいるかもしれませんが、人生経験が浅い子の方が成長スピードは速いです。
私は23歳で声優養成所に通いましたが、10代の子は怖いもの知らずというか…。
知らないことが多い分、行動力もあったのでどんどん上達していった印象があります。
そして、25歳を過ぎると歌って踊る仕事はまずさせてもらえません。
よっぽど童顔で年齢不詳感が出ていない限り、おばさん扱いされてオーディション数も激減します。
特にアニメは、顔出しイベントが多いので、できるだけ若い新人声優を起用したいと考えるのです。
年齢ばかりに気を取られないで
今回の記事を読む限り、ある程度歳をとってから声優養成所に入っても意味がない…みたいに感じる人も多いでしょう。
確かに、声優になるのに年齢は重要です。
しかし、いまさら嘆いたって自分の年齢は変えられないですし、養成所に黙ってサバ読みしていた方が最悪です。
実際、私は27歳で声優になれました。なるべく年齢を気にしないように、黙々と声優スキルを上げた結果です。
もちろんビジュアル重視の声優事務所もありますが、純粋に上手い声優を求める事務所もたくさんあります。
年齢制限ギリギリで入所した声優志望者は、とにかく技術力と演技力で勝負です。
誰よりも練習し、講師やマネージャーにアピールすることで、プロ声優への道も開かれますよ!