アニメやゲームを見ていると、可愛い声をした女性声優やイケメンボイスの男性声優で溢れかえっていますよね。その甘い声で、現在も大勢のファンを魅了しています。
実際、キャラクターの声を聞いて、声優を目指そうと思った人もいるはず。
しかし現実に目を向けると、自分は特徴のない普通の声。「声優になるのは難しいんじゃないのか?」と不安に感じる人も多いですよね。
声優になるために、可愛い声は必要不可欠なのでしょうか?今回は、「可愛い声でないと声優になれないのか?」という疑問にお答えします!
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声優になるためには可愛い声は絶対必要…ではない!
まず先に、皆さんの疑問にお答えします。可愛い声は、声優になるために絶対必要ではありません!特徴がない普通の声でも、声優になることができます!
なぜなら、可愛い声やイケメンボイス以外にも、求められている声質がたくさんあるからです。
例えば、
・年上の色気があるお姉さん
・ふくよかな40代のおばさん
・髭を生やしたダンディな男性
・70代くらいの老人
これらは、可愛い声質だと出すことが難しいキャラクターです。
逆に個性がある声質より、特徴がない声質の方が起用しやすいと考える監督もいます。
声優事務所も「可愛い声」を重要視していない
声優事務所の所属オーディションでも、無理に可愛い声を出す必要はありません。地声とキャラ声をしっかり聴いてもらった方が、オーディションに合格する確率は高いです。
また可愛い声が特徴の声優は業界にたくさんいるため、ライバルも自然と多くなります。そのため、キャストオーディションに合格するまでがとても大変です。
可愛い声だからといって、決して人気声優になれる保証はないのです。
美少女キャラを演じたい!可愛い声を出すコツ3個
声優になるために、無理に可愛い声を出す必要はありません。しかし、それでも可愛い声を出したい声優志望者は多いでしょう。
確かに、出来た方が役幅が広がって良いですよね。
またこの先、美少女キャラクターのキャストオーディションがあったとします。キャラに合った可愛い声を出す場合、どうすれば良いのでしょうか?
ということでここからは、可愛い声を出すコツをご紹介します。
声の高さより語尾を意識する
高い声を出せば、可愛い声になるわけではありません。逆に低い声でも、十分可愛い声を出すことはできます!
注目するポイントは「語尾」。セリフの語尾を跳ね上げるように話すだけで、可愛い印象を与えることが可能です。
少したっぷり(ゆっくり)気味に話すことで、可愛らしい幼女感を演出できますよ。
鼻にかけながら話す
いわゆる「ロリ声」を出したい人は、鼻にかけながらしゃべると良いです。鼻にかかった声を出すと、甘えん坊な印象になります。
具体的には、風邪で鼻声になっている人がいますよね。イメージはそんな感じです。
少し難しい話をすると、そもそも鼻にかかった声を出すには、鼻腔共鳴をする必要があります。
この鼻腔共鳴とは、鼻の穴の空洞に声を響かせることで、慣れるまでとても苦労するでしょう。
しかし鼻腔共鳴ができるようになれば、ロリ声が出せるだけではなく、鼻濁音をマスターすることが可能。
そしてこの鼻濁音とは、美しい日本語を話すために必ずマスターしなければいけない技法。つまり声優になるために、鼻腔共鳴は出来なければいけないのです。
息を出しながら話す「ウィスパーボイス」
ウィスパーボイスとは、吐息交じりにささやくように話すこと。特に大人しいキャラクターや感情を表に出さないキャラクターは、ウィスパーで話すことが多いです。
無理に高い声を出さなくても、このように声の出し方を変えることで、ちょっと不思議な可愛い声を演出することができます。
実際過去に、収録でウィスパーボイスの指示が来たことがありました。
ウィスパーボイス自体は問題なくできましたが、マイク前で吐息を出すと、「ボンッ」とノイズに。業界用語で言うと、マイクに吹いてしまったのです。
ノイズを防ぐポップガードを付けた状態でやったはずなのに、何度かやり直すはめに。
最終的には、顔を横向きにしたままマイクをギリギリまで近づけて話すことでOKを頂きました。
このようにウィスパーボイスは、息を多く出す分ノイズになりやすいです。私もこの現場で、マイクテクニックが必要なんだなと学びました。
声優業界は「可愛い声」より「マイク乗りが良い声」を求めている
先ほど、声優になるために可愛い声は絶対必要ではない!という話をしました。では、声優業界は一体どんな声を求めているのでしょうか?
それは、マイク乗りが良い声です!マイク乗りが悪い声だと、アフレコの時に1人だけ浮いてしまいます。そうなると、後で修正をしなければいけません。
また舞台経験が豊富な人は、声量が大きいだけでマイク乗りが悪いと言われています。
周りからの好印象は確実!声優以外でも可愛い声は役に立つ
声優面では可愛い声である必要はありませんが、正直可愛い声を出せた方が得することが多いです。
私の場合、声優関係以外の人からは「明るい声だね」とよく言われています。その人達いわく、とても聞き取りやすく、心地よい声をしているそうです。
確かに、初対面の人から「可愛らしい声だね!」と言われたこともありました。
声が良い人は、それだけで印象が良い意味で爆上げされます。最近は「モテ声」と呼ばれていて、正しく私はモテ声に当てはまっているようです。
第一印象が良いだけでも、人間関係は上手くいきやすいもの。声優以外でも、可愛い声は役に立つんだなと身をもって実感しました。
自分の声を知ることが重要!声の長所を伸ばす努力をしよう
今回は、声優になるために可愛い声は必要か?というお話をしました。いくら声質が可愛かろうがかっこよかろうが、滑舌や演技力が素人だと声優になれません。
それより、自分の声をよく知ることが大事です。
【1】どんな声質をしているか?(高い声か低い声)
【2】どんな役柄ができそうか?
【3】講師やマネージャーからどんなキャラクターを演じると褒められるのか?
【4】マイク乗りは良い方か?
これらをチェックして自分の声を理解できたら、自分が得意なキャラクターが分かってくるはずです。
得意分野を極めることで、プロ声優への道が開かれる可能性が高くなります。自分の声質に悩むより、自分の声でどんな役ができるのか見つけるようにしましょう。
事務所も業界も、あなたしか出せない声を待っていますよ!